『魔術師クノンは見えている』170話以降はどうなる?物語の変化・大きな出来事をネタバレありで解説

ライトノベル

南野海風による『魔術師クノンは見えている』は、盲目の少年クノン・グリオンが「魔術で目を作る」という目標を掲げ、魔術の研究と実験を重ねていく作品です。小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されており、170話付近では魔術学校での研究生活が物語の中心となっています。

この作品を170話前後まで読むと、「この先も学校で研究したり仲間と話したりする日常がずっと続くのか」「戦闘や大事件を中心とした展開になるのか」が気になるところです。結論を先取りすると、170話以降も研究・開発・会話を楽しむ作品の基本的な作風は変わりませんが、舞台やクノンを取り巻く状況はかなり動いていきます。

この記事では、小説家になろう版の170話以降について、ストーリーそのものを長々と再現するのではなく、どのような方向へ物語が進むのかを中心に整理します。なお、170話以降の内容に触れるためネタバレを含みます。

170話時点は第六章の途中

小説家になろう版の第170話「光る植物」は第六章に収録されています。この時期は魔術学校で起きた出来事と、クノンや聖女レイエスをはじめとする魔術師たちの研究が絡み合って進んでいます。[参照:小説家になろう 第170話]

第170話では、地下施設に関係する光る植物について話が進みます。単なる授業や雑談だけではなく、魔術学校で発生した不可思議な現象が、その後の研究対象へ変わっていく構成です。

つまり、この段階ですでに『魔術師クノンは見えている』らしい「事件が起こる→それを魔術師が研究対象として面白がる」という展開が見られます。この構造は170話以降を読むうえで非常に重要です。

170話以降も「研究と日常」が作品の中心なのか

基本的にはその認識で問題ありません。170話以降になったからといって、突然作品のジャンルが変わり、毎回強敵と戦うバトルファンタジーになるわけではありません。

クノンの最大の特徴は、強敵を倒すことそのものよりも未知の魔術、現象、素材、技術を発見して試したがることです。そのため大きな出来事が発生しても、それが新しい研究や発明へつながっていくケースが多くあります。

例えば一般的なファンタジー作品なら「未知の怪現象=危険なので排除する」という流れになりそうな場面でも、本作では「これは何だろう」「魔術に利用できないか」「実験してみたい」と魔術師側の好奇心が前面に出ます。ここが本作独特の読み味です。

170話から少し進むとクノンの環境にも変化がある

170話から読み進めると、第七章に入り、クノンを取り巻く人物関係にも大きな動きがあります。その代表例が婚約者ミリカとの再会です。

第196話では、クノンがヒューグリア王国を離れて約一年半が経過した時点でミリカと再会します。長期間離れていた婚約者同士の再会なので、魔術研究だけではなくクノンの私生活や人間関係にも変化が生じる場面です。[参照:小説家になろう 第196話]

したがって170話付近の学校生活だけを見て「この先も同じメンバーで同じ場所の日常が続く」と考えると、少し違います。作品の空気感は維持されながらも、登場人物の合流や再会、場所の移動などによって状況は変化していきます。

クノンの「目」に関する物語もしっかり進む

本作の最初から存在する重要なテーマが「魔術で目を作る」というクノンの目標です。170話まで読むと、すでにクノンは視覚魔術「鏡眼」を得ていますが、それですべて解決したわけではありません。

第200話ではクノンと師匠ゼオンリーが「鏡眼」について話し合います。クノン自身、使用時間や魔術としての効率などに課題を感じており、日常的に使える完成された視覚にはまだなっていません。[参照:小説家になろう 第200話]

さらに重要なのが、鏡眼によって普通の視覚とは異なるものが見えている点です。これが単なる「目が見えるようになりました」というゴールではなく、新しい謎へつながっていきます。

「鏡眼で見えるもの」が新たな謎になる

クノンの鏡眼では、通常の人間には見えない奇妙なものまで見えます。第201話付近では、クノンとゼオンリーがその正体について考察しています。

ここでは精霊との関連性なども仮説として検討されますが、簡単に答えが出る話ではありません。つまり「視覚を得る」という当初の目的から、クノンにしか見えないものは一体何なのかという新しい研究テーマへ物語が広がっていきます。

魔術の設定や世界の仕組みに興味がある読者にとっては、170話以降の重要な見どころです。単なる日常回の積み重ねだけではなく、それまで提示されていた設定が別の謎につながります。

舞台も魔術学校だけではなくなっていく

さらに先へ進むと、クノンの活動範囲は魔術学校だけに限定されなくなります。代表的なのがミリカが関係する開拓地でのエピソードです。

ここでもクノンらしく、開拓という現実的な課題に対して魔術や魔道具を利用します。道を作るための魔道具など、生活・産業に魔術を応用する方向の研究も描かれます。

そのため「学校の研究室で毎回何かを作るだけ」という状態ではありません。研究するという作品の軸はそのままに、研究を実際の社会や土地で使う展開へスケールが広がっていきます。

開拓地では「魔力溜まり」という重要な現象も登場

開拓地編では、クノンの鏡眼と関係する興味深い出来事も発生します。第294話では、森にある魔力溜まりを調査する中で、クノンが空間に走るヒビのようなものを鏡眼で捉えます。[参照:小説家になろう 第294話]

しかも、それは誰にでも同じように見えるものではありません。鏡眼があるからこそ認識できる情報があり、クノン自身の特殊性と世界に存在する未知の現象が接続していきます。

このあたりまで来ると、初期の「盲目の少年が魔術を覚えて目を作ろうとする」という物語から、かなり世界が広がっていることがわかります。

大規模な魔術開発も行われる

開拓地では「多機能豊穣装置」に関係する研究も進められます。単純な便利魔術ではなく、複数の魔術師や研究成果が関係する比較的大掛かりなプロジェクトになっていきます。

この部分は、本作の研究・開発要素が好きなら特に楽しみやすいでしょう。クノン一人が突然万能な魔術を完成させるのではなく、周囲の専門家や魔術師の知識を利用しながら研究を組み立てていくからです。

一方、派手な戦闘を最優先で読みたい人には、依然としてゆっくり感じられる可能性があります。本作は「大事件が起こったから戦って解決する」というより、「問題があるなら研究して面白いものを作ろう」という方向へ進みやすい作品です。

魔術界そのものに関係する話も出てくる

さらに、クノン個人の研究だけでなく、魔術界全体に関係する構想も登場します。第300話ではゼオンリーから六ヶ国合同で新たな魔術学校を作る計画について語られます。[参照:小説家になろう 第300話]

既存の魔術界ではグレイ・ルーヴァと魔術都市ディラシックに人材や知識が集中しています。その状態に対する各国の考えもあり、新たな魔術教育の拠点という大きな話へつながっていきます。

170話付近のクノンは「学校で面白い研究をしている天才少年」という印象が強いですが、先へ行くほど彼や周囲の人物の研究が、社会や国家、魔術界にも影響を及ぼし得る規模になっていきます。

聖女レイエスにも大きな変化がある

170話前後では、聖女レイエスも重要な人物です。彼女についても、その後ずっと同じ状態というわけではありません。

クノンたちと研究し、さまざまな未知に触れた経験によって、レイエス自身の興味や感情にも変化が見られるようになります。後のエピソードでは彼女のその後を描く幕間も用意されています。

第362話・363話付近では、レイエスが聖教国セントランスへ戻った後の様子も描かれます。魔術学校で生まれた人間関係や経験が、学校を離れた後にも影響していることがわかります。[参照:小説家になろう 第362話]

戦闘や危険な出来事はあるのか

あります。ただし、それを作品の中心に据えた典型的なバトルファンタジーになるわけではありません。

かなり先の展開では本格的な魔術戦も描かれます。例えば第459話では、大規模な魔術戦と爆発の後、クノンが聖女のもとで意識を取り戻す場面があります。聖女がクノンの無茶な行動を叱るほど危険な状況です。[参照:小説家になろう 第459話]

したがって「この作品にはこの先ずっと危険も戦闘もない」というわけではありません。ただし戦闘が連続して強敵を倒していく構成を期待すると、作品の方向性とは少し異なります。

170話以降の変化を大まかに整理

細かなネタバレを避けながら、170話以降にどのような要素が増えていくかを整理すると次のようになります。

要素 170話以降
魔術研究 引き続き作品の中心
学校生活 続くが、学校外の舞台も増える
ミリカ クノンと再会し物語へ再び深く関わる
鏡眼 新しい謎や世界観の掘り下げにつながる
聖女レイエス 研究や交流を通じて変化していく
開拓 魔術を実社会へ応用する大規模な研究が進む
魔術界 国家や新しい魔術学校に関係する話まで広がる
戦闘 存在するが作品の主軸ではない

こうして見ると、作品の雰囲気そのものを壊すような方向転換ではなく、クノンらしい研究生活を維持しながら、その研究対象・人間関係・舞台・影響範囲が広がっていくタイプの物語だと整理できます。

バトル作品のような「大きな変化」を期待すると少し違う

『魔術師クノンは見えている』を読むうえで重要なのは、「大きな出来事」の意味が一般的な冒険ファンタジーとは少し違うことです。

例えば魔王軍が攻めてきたり、世界滅亡の危機が突然発生したりすることだけが大事件なのではありません。未知の魔術現象を発見する、新しい技術を完成させる、特殊な場所を調査する、重要人物と再会する、研究成果が社会へ利用される、といった出来事も本作では大きな転換になります。

クノン本人が「強くなって敵を倒す」ことより「知らないものを知りたい」という人物なので、物語そのものも彼の価値観に合わせて進んでいると考えると理解しやすくなります。

170話で合わないと感じた場合はどこまで読むべきか

170話まで読んで「研究や日常そのものは好きだが、少し環境を変えてほしい」と感じているなら、第七章まで進めてみる価値があります。ミリカとの再会など、クノンを取り巻く状況が変わり始めるためです。

一方、「研究や会話ではなく、ここからずっとシリアスな戦争・冒険・戦闘を読みたい」という場合は注意が必要です。先には危険な出来事や魔術戦もありますが、作品の根本にある研究・発明・好奇心中心の作風は維持されます。

逆に、魔術の仕組みを考えたり「そんな使い方があるのか」という発明を楽しんだりする部分が好きなら、170話以降は鏡眼、魔力溜まり、開拓、豊穣装置など研究対象が増えるため、相性のよい展開が続きます。

現在のWeb版は170話よりかなり先まで公開されている

小説家になろう版では、170話は全体から見るとまだ中盤より前に位置しています。作品ページでは500話を超えるエピソードが掲載されており、第170話の先にも多数の章があります。[参照:小説家になろう『魔術師クノンは見えている』]

そのため170話時点の魔術学校生活だけで、作品全体の展開を判断するのはやや早いでしょう。クノンが関わる人物も場所も研究テーマも、その後かなり増えていきます。

アニメ化も行われており、公式サイトでは原作・コミカライズなどの関連情報も確認できます。[参照:TVアニメ『魔術師クノンは見えている』公式サイト]

まとめ:平和な研究物の魅力を残しながら物語の規模は広がっていく

『魔術師クノンは見えている』の170話以降も、クノンが魔術に夢中になり、研究・実験・開発を楽しむという作品の根本は変わりません。その意味では「170話を境に突然シリアスなバトル作品になる」という展開ではありません。

しかし、ずっと同じ場所で同じような日常だけが繰り返されるわけでもありません。ミリカとの再会、鏡眼で見える謎、学校外への活動範囲の拡大、開拓地での研究、魔力溜まり、新たな魔術学校に関係する構想、聖女レイエスの変化など、物語を動かす要素は次々に登場します。

さらに先では危険を伴う魔術戦もあります。ただ、本作における最大のエンジンは最後まで「クノンの好奇心」です。事件や未知の現象が起きたとき、それを敵として倒すより「研究したら何がわかるだろう」と考える。この独特の方向性が好きなら、170話以降も読み進める価値のある構成になっています。

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