『君の名は。 Another Side:Earthbound』2026年角川文庫版と2016年版の違いは?どっちを買うべきか比較

小説

映画『君の名は。』の世界を別の人物の視点から掘り下げる外伝小説が、加納新太著『君の名は。 Another Side:Earthbound』です。もともと2016年に角川スニーカー文庫から刊行された作品ですが、映画公開10周年となる2026年8月25日に角川文庫版が発売されました。

書店で検索すると同じタイトルの2016年版と2026年版が見つかるため、「新しい話が追加されたのか」「内容が改稿されたのか」「どちらを買えばいいのか」と迷いやすいところです。

結論を先に整理すると、2026年版は映画公開10周年に合わせて角川文庫から刊行された版であり、KADOKAWAが公開している目次は2016年版と同じ4編です。一方、2016年の角川スニーカー文庫版は田中将賀によるカバーイラスト、朝日川日和による口絵・本文イラストを特徴としています。そのため、物語を読むことを優先するか、オリジナル版のイラストを含めて所有したいかで選び方が変わります。

『君の名は。 Another Side:Earthbound』とは

『君の名は。 Another Side:Earthbound』は、新海誠原作、加納新太著による『君の名は。』の外伝小説です。2016年8月1日に角川スニーカー文庫から発売されました。[参照:KADOKAWA 2016年版書誌情報]

映画とまったく別の物語を描いた作品というより、映画では詳しく描かれなかった出来事や人物の内面を、別の視点から補完する作品と考えると分かりやすいでしょう。瀧だけでなく、勅使河原克彦、宮水四葉、宮水俊樹といった人物にも焦点が当てられます。

特に『君の名は。』本編を見て「三葉と入れ替わっているときの瀧は実際にどんな生活をしていたのか」「テッシーは何を考えていたのか」「四葉から見た姉はどうだったのか」「三葉の父・俊樹はなぜ宮水家を離れたのか」といった部分が気になった人と相性の良い一冊です。

2016年版は角川スニーカー文庫から発売されたオリジナル版

最初に刊行された2016年版は角川スニーカー文庫の作品です。KADOKAWAの書誌情報では発売日が2016年8月1日、定価682円、文庫判276ページ、ISBNは9784041046593となっています。

また2016年版では、著者の加納新太、原作の新海誠に加えて、カバーイラストを田中将賀、イラストを朝日川日和が担当していることが明記されています。映画『君の名は。』公式サイトでも、田中将賀がカバーイラスト、朝日川日和が口絵・本文イラストを担当した作品として紹介されています。[参照:映画『君の名は。』公式サイト]

したがって、ライトノベルとして発売された当時の雰囲気やイラストを含めて楽しみたい場合には、2016年のスニーカー文庫版に大きな魅力があります。

2026年版は映画公開10周年記念の角川文庫版

2026年8月25日に発売された新しい版は、角川文庫版です。映画『君の名は。』公開から10年となるタイミングで、外伝小説が角川文庫に登場した形です。[参照:KADOKAWA 2026年角川文庫版]

2026年版は定価968円、文庫判256ページ、ISBNは9784041177150です。つまり2016年版とはISBNもレーベルもページ数も異なる、別の書誌として販売されています。

一方で、KADOKAWAが2026年版について公開している紹介では、瀧、勅使河原、四葉、俊樹という4人の視点から『君の名は。』を掘り下げる外伝小説とされています。物語そのものの位置付けは2016年版と共通しています。

2016年版と2026年版の違いを比較

公式に公開されている書誌情報を比較すると、主な違いは次のように整理できます。

項目 2016年版 2026年版
発売日 2016年8月1日 2026年8月25日
レーベル 角川スニーカー文庫 角川文庫
著者 加納新太 加納新太
原作 新海誠 新海誠
ページ数 276ページ 256ページ
定価 682円 968円
ISBN 9784041046593 9784041177150
位置付け 角川スニーカー文庫の外伝小説 映画公開10周年記念の角川文庫版
イラスト担当の書誌記載 田中将賀・朝日川日和 KADOKAWAの2026年版書誌では記載なし

ページ数だけを見ると「2026年版では20ページ分の物語が削除されたのでは」と考えてしまうかもしれません。しかし、版型が同じ文庫判でも、文字組み、フォント、余白、章扉、口絵・挿絵などの編集仕様によって総ページ数は変化します。ページ数だけから本文が削除されたと判断することはできません。

むしろ購入時に注目したいのは、スニーカー文庫から一般文庫である角川文庫へレーベルが変わっている点と、2016年版では公式にイラスト担当者が明記されている点です。

収録されている4つの物語は何か

2026年版についてKADOKAWA公式オンラインショップが公開している目次は、次の4編です。[参照:KADOKAWA公式オンラインショップ]

  • 第一話「ブラジャーに関する一考察」
  • 第二話「スクラップ・アンド・ビルド」
  • 第三話「アースバウンド」
  • 第四話「あなたが結んだもの」

これは『Another Side:Earthbound』を構成するおなじみの4編です。そのため、2026年版を「続編」や「Another Side 2」のような新作だと思って購入するとイメージが違います。

2026年版は、基本的には既存の『Another Side:Earthbound』を映画公開10周年の機会に角川文庫として改めて刊行したもの、と理解するのが適切です。

2026年版に新規エピソードは追加されている?

2026年8月時点でKADOKAWAが公開している2026年版の目次を見る限り、新たな第五話などは掲載されていません。公開されているのは先ほどの4編です。

またKADOKAWAの商品説明も「四人の視点から掘り下げる」外伝小説として紹介しており、新作短編や書き下ろし後日談を追加した増補版であるとは案内していません。

そのため、すでに2016年版を持っていて「2026年版で新しいストーリーが読めるなら買い直したい」という場合は、少なくとも新規ストーリー目的だけで買い直す必要性は低いと考えられます。

2016年版の魅力は口絵・本文イラスト

二つの版を選ぶ際に意外と重要なのがイラストです。映画公式サイトでは2016年版について、田中将賀がカバーイラスト、朝日川日和が口絵・本文イラストを担当していることが明記されています。

ライトノベルでは、挿絵が登場人物の表情や場面の印象を補完してくれます。そのため小説本文だけでなく、「2016年に発売された作品としてのパッケージ全体」を楽しみたい人にとってはオリジナルのスニーカー文庫版が魅力的です。

中古で2016年版を探す場合には、帯などの有無だけでなく、本の状態も確認しておくとよいでしょう。発売から約10年経過しているため、日焼けや傷みがある個体も考えられます。

初めて読むなら2026年角川文庫版が選びやすい

これから初めて『Another Side:Earthbound』を読むのであれば、2026年に刊行された角川文庫版は選びやすい選択肢です。現行版として新品を書店で探しやすく、映画公開10周年を機に『君の名は。』を再び見た人にも手に取りやすい版だからです。

特に「イラストへのこだわりはなく、物語を読みたい」という場合は、新しい角川文庫版を選べばよいでしょう。

また一般的な角川文庫の装丁で『小説 君の名は。』などと本棚に並べたい人にとっても、2026年版には統一感があります。

イラストを重視するなら2016年スニーカー文庫版

一方、キャラクターイラストも作品体験の一部として楽しみたいなら、2016年の角川スニーカー文庫版が候補になります。

特に朝日川日和による口絵・本文イラストを見たい場合は、2016年版を選ぶ理由が明確です。映画公開当時に発売されたオリジナル版という点も、コレクション目的では魅力になります。

すでに2016年版を所有している人については、2026年版が発売されたからといって手放す必要はありません。むしろ版の違いを楽しみたいコレクターであれば、両方を所有するという選択もあります。

すでに2016年版を持っているなら買い直すべき?

物語を読むことだけが目的なら、2016年版を持っている人が2026年版へ急いで買い替える必要性は高くありません。2026年版の公式目次に新規の第五話などは確認できないためです。

ただし、映画公開10周年の記念版として欲しい、新しいカバーや角川文庫としての装丁が好み、保存用として新品を購入したい、といった理由なら買い足す意味はあります。

つまり「旧版だから内容が古い」「最新版を買わないと完全な物語を読めない」という関係ではなく、同じ外伝作品を異なる出版形態で楽しむという考え方が近いでしょう。

『小説 君の名は。』とは別の本なので注意

初めて関連小説を購入する場合、もう一つ注意したいのが新海誠自身が執筆した『小説 君の名は。』との違いです。

『小説 君の名は。』は映画本編に対応する原作小説です。一方、『Another Side:Earthbound』は加納新太が執筆した外伝で、本編だけでは十分に描かれなかった人物や出来事を別視点から掘り下げています。

そのため映画を見た後に一冊だけ選ぶ場合、「映画のストーリーそのものを文章で読みたい」なら『小説 君の名は。』、「映画で描かれなかった人物の内面や背景をもっと知りたい」なら『Another Side:Earthbound』という選び分けができます。

特に宮水俊樹の背景を知りたい人にはおすすめ

『Another Side:Earthbound』がファンから注目される理由の一つが、三葉と四葉の父である宮水俊樹を掘り下げている点です。

映画では俊樹について分からない部分も多く、なぜ宮水家を離れて町長になったのか、妻・二葉や宮水家とどのような関係にあったのかなど、気になる余白が残されています。

外伝を読むことで、映画での俊樹の言動について違った見え方が生まれます。単なるサブキャラクターの短編集というより、映画本編の理解を深める補完作品として楽しめるところが本書の大きな魅力です。

まとめ:物語目的なら2026年版、イラストやオリジナル版を重視するなら2016年版

『君の名は。 Another Side:Earthbound』には、2016年8月1日に角川スニーカー文庫から発売された版と、映画公開10周年に合わせて2026年8月25日に発売された角川文庫版があります。

2016年版は276ページ・税込682円・ISBN 9784041046593で、田中将賀によるカバーイラストと朝日川日和による口絵・本文イラストが特徴です。一方、2026年版は256ページ・税込968円・ISBN 9784041177150で、映画公開10周年を記念して角川文庫から刊行されています。[参照:KADOKAWA 2026年版]

KADOKAWAが公開している2026年版の目次は「ブラジャーに関する一考察」「スクラップ・アンド・ビルド」「アースバウンド」「あなたが結んだもの」の4編で、新しい第五話などは案内されていません。そのため、2026年版を完全新作や続編と考えるのは適切ではありません。

初めて購入し、純粋に物語を読みたいなら入手しやすい2026年の角川文庫版、口絵・本文イラストや映画公開当時のオリジナル版としての魅力を重視するなら2016年の角川スニーカー文庫版がおすすめです。

すでに2016年版を所有している場合は、新規ストーリーを読む目的での買い直しを急ぐ必要はありません。反対に『君の名は。』公開10周年の記念アイテムとして集めたい場合や、異なる装丁で保存したい場合には2026年版を追加購入する楽しみがあります。どちらを選んでも、瀧、勅使河原、四葉、俊樹という4人の視点を通して、映画だけでは見えにくかった『君の名は。』の世界をより深く味わえる一冊です。

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