商店街に突然できた健康食品の店。店内には高齢者が集まり、店員は親しげに話しかけ、商品を勧めてくる。そんな店に高齢の女性が繰り返し通う――。このような印象的なエピソードが登場する小説を探しているなら、有力な作品が有川浩(現在の筆名は有川ひろ)の小説『三匹のおっさん』です。
『三匹のおっさん』には、高齢女性が健康食品店へ通い続ける催眠商法(SF商法)を題材にしたエピソードがあります。作品名や作者を忘れてしまい、健康食品の店、高齢者、親切な店員、商品を買わせる販売方法といった場面だけを覚えている場合、確認しておきたい作品です。
該当する可能性が高い本は有川浩『三匹のおっさん』
『三匹のおっさん』は、有川浩による小説です。文藝春秋の公式書籍情報によると、単行本は2009年3月16日に発売され、ISBNは978-4-16-328000-4。剣道の達人・キヨ、柔道家のシゲ、機械に強いノリという還暦を迎えた幼なじみ3人が私設自警団を結成し、町内で起きるさまざまな問題に立ち向かう作品です。
出版社である文藝春秋も、本作について、かつての悪ガキ3人が自警団を結成し、詐欺や痴漢、動物虐待など町内の悪に立ち向かう小説として紹介しています。書誌情報まで確認できるため、作品名を確かめたい場合の信頼性の高い情報源になります。[参照]
国立国会図書館の書誌情報でも、著者は有川浩、出版者は文藝春秋、出版年は2009年3月、ISBNは978-4-16-328000-4と確認できます。[参照]
『三匹のおっさん』には健康食品店と高齢女性のエピソードがある
探している本との大きな共通点は、高齢者を相手にする健康食品店が登場することです。『三匹のおっさん』は複数の事件を扱う連作形式の作品で、その中に催眠商法を題材とした話があります。
このエピソードはテレビ東京でドラマ化された際にも第2話「悪徳商法を退治!!」として映像化されています。テレビ東京公式サイトのあらすじでは、商店街の一角に「パレット・ピース」という健康食品店が新しくオープンし、近所に住む原田靖代という高齢女性がその店へ通いつめていることが描かれています。[参照]
靖代の息子・隆憲は、母親がその店に通い、大金をつぎ込んでいることを心配します。そこで主人公たちが店へ潜入すると、店内には大勢の高齢客が集まっており、店長による巧みな商品説明や無料の健康食品の配布などが行われています。「街にできた健康食品の店」「高齢女性が通う」「店員が親しげに接する」「商品を購入する」という記憶とかなり重なる設定です。
なぜ高齢女性はその店へ通い続けるのか
このエピソードで重要なのは、単純に「高齢者が商品をだまされて買う」というだけの話ではないことです。店へ通うこと自体が、高齢者にとって人との交流や楽しみになっているという孤独や心の隙間が物語の背景にあります。
たとえば、一人で過ごす時間が多い人にとって、毎日のように自分の名前を呼び、笑顔で迎え、話を聞いてくれる場所ができれば、そこで売られている商品以上に「その場所へ行くこと」自体に価値を感じることがあります。家族から見れば不自然な店でも、本人にとっては大切な居場所になってしまうわけです。
ドラマ版の公式あらすじでも、主人公たちは靖代が商品を購入している姿を確認したあと、なぜ彼女が店に通っているのかは一日見ただけでは分からないと考え、交代で店へ通って調査します。この点からも、単なる商品購入ではなく、高齢者の心理まで扱ったエピソードであることが分かります。[参照]
記憶にある「椅子がたくさん並んだ店」は催眠商法の会場と考えると分かりやすい
健康食品店の中に椅子が並び、大勢の高齢者が集められているという光景は、一般に催眠商法(SF商法)と呼ばれる販売方法を連想させます。商品を普通の小売店のように棚から選ぶのではなく、参加者を会場へ集め、話を聞かせながら商品購入へ導く方式です。
元催眠商法の営業マンであるロバート・熊の著書『あやしい催眠商法 だましの全手口』について、紀伊國屋書店は、コンビニ跡地などに自然食品・健康食品の旗が並び、多くの高齢者が集まり、そこで講演会のような催しが行われる実態を紹介しています。高齢者にとって会場が楽しい場所となり、何日も通った末に高額な健康食品などの購入へつながる仕組みが解説されています。[参照]
そのため、「普通の健康食品店というより、椅子がたくさん並べられ、人が集まって話を聞いていた」という記憶がある場合は、催眠商法を扱った物語だったと考えて作品を探すと候補をかなり絞り込めます。
『三匹のおっさん』の基本情報
改めて書籍情報を整理すると、探す際には次の情報が目印になります。
| 書名 | 三匹のおっさん |
|---|---|
| 著者 | 有川浩(有川ひろ) |
| ジャンル | 日本の小説・連作形式の痛快活劇 |
| 単行本出版社 | 文藝春秋 |
| 単行本発売 | 2009年3月 |
| 単行本ISBN | 978-4-16-328000-4 |
| 主な内容 | 還暦の幼なじみ3人が私設自警団を結成し、町内の犯罪やトラブルに立ち向かう |
なお、本作は後に複数の出版社から文庫化されています。講談社文庫版については講談社公式サイトで2015年9月15日発売、ISBN 978-4-06-293203-5と確認できます。また、同サイトには、もともと2009年3月に文藝春秋から刊行された作品であることも記載されています。[参照]
古本屋や図書館で探す場合、表紙や出版社が記憶と違っていても不思議ではありません。単行本だけでなく文庫版も存在するため、「有川浩 三匹のおっさん」という著者名と作品名で探すのが確実です。
ドラマ版にも同じ健康食品店の話が登場する
『三匹のおっさん』は2014年にテレビ東京でドラマ化されています。健康食品店を扱うエピソードは第2話「悪徳商法を退治!!」です。
ドラマ版では、健康食品店「パレット・ピース」に通う高齢女性・原田靖代を草村礼子、店長の花山を相島一之、店員の松野を矢柴俊博が演じています。テレビ東京公式ページにも登場人物と詳しいあらすじが残っているため、本で読んだ場面の記憶を確認する材料になります。[参照]
小説を読んだ記憶と映像で見た記憶が混ざっている場合にも注意が必要です。『三匹のおっさん』は小説として出版された後にテレビドラマ化されているため、「店内に椅子が並んでいた」「高齢女性が店員と話していた」といった映像的な記憶が強く残っている場合は、ドラマ版を見た可能性もあります。
まとめ:健康食品店へ高齢女性が通う本なら『三匹のおっさん』が有力
街に突然現れたような健康食品店、高齢者が集まる店内、そこへ繰り返し通う高齢女性、親しげに接近する販売員、そして商品を購入させる催眠商法――。これらの特徴に一致する有力な小説が、有川浩『三匹のおっさん』です。
特に、原田靖代という高齢女性が健康食品店へ通いつめ、主人公のキヨ、シゲ、ノリたちが店の実態を調べるエピソードは、記憶にある内容を確認するうえで重要な手掛かりになります。
作品そのものは催眠商法だけをテーマにした小説ではなく、町内で起きる複数の事件を「三匹のおっさん」が解決していく連作形式です。そのため、昔読んだ際に健康食品店の話だけが強く印象に残り、作品全体のタイトルを思い出せなくなっているケースも考えられます。もう一度読みたい場合は、まず『三匹のおっさん』有川浩を確認してみるとよいでしょう。


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