新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行時には、「二類相当」「五類相当」といった表現が多く使われました。しかし、感染症法における正式な分類と、行政上の対応を説明するための表現が混在したことで、意味が分かりにくく感じる人も少なくありません。この記事では、新型コロナの分類変更の経緯や「相当」という言葉の意味、官報などの公的資料で確認できる内容について整理します。
感染症法における「二類」「五類」とは何か
日本の感染症対策は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」によって分類されています。感染症は危険性や公衆衛生上の影響によって、一類から五類、新型インフルエンザ等感染症などに区分されています。
二類感染症には、結核、SARS、MERSなどが含まれます。一方、五類感染症には季節性インフルエンザや梅毒などが含まれ、感染者数の把握方法や行政の関与が異なります。
ここで重要なのは、「二類相当」や「五類相当」という表現は感染症法上の正式な分類名ではないという点です。法律上の区分と、対応内容を説明するための便宜的な表現を区別する必要があります。
「二類相当」とは正式な二類感染症という意味ではない
新型コロナ流行初期には、「二類相当」という言葉が頻繁に使われました。これは新型コロナが感染症法上の二類感染症だったという意味ではなく、入院措置や就業制限など、二類感染症に近い厳しい対応が取られていたことを表す説明でした。
つまり、「二類」と「二類相当」は同じ意味ではありません。例えば、ある制度上の扱いが二類感染症と同程度だった場合に、報道や解説で「二類相当」と表現されることがあります。
そのため、公的な分類を確認する場合は、厚生労働省の通知や政令・省令など、正式な法令上の位置付けを見る必要があります。
2023年5月の新型コロナ五類移行で何が変わったのか
2023年5月8日、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の「五類感染症」に位置付けられました。この変更により、法律上の分類が明確に五類へ変更されています。
五類移行後は、患者や濃厚接触者への法律に基づく外出制限、医療機関への報告方法、行政による一律的な対応などが大きく変更されました。
一方で、「五類相当」という表現が使われることがありますが、これは五類感染症そのものを意味する言葉ではありません。正式には「五類感染症として位置付けられた」という表現が適切です。
「五類相当の感染症として扱う」という表現が生まれた理由
新型コロナの分類変更では、制度変更の準備期間や社会的影響を説明するため、「五類相当の扱い」という表現が使われることがありました。
しかし、感染症法上の分類は行政文書によって決定されるため、「相当」という表現だけでは正式な法的根拠を示しているとは言えません。
例えば、「五類相当の対応をする」という説明は、医療提供体制や公費負担などの一部対応が五類感染症に近い方向へ変更されることを説明する目的で使われる場合があります。
官報や厚生労働省資料で確認するべきポイント
感染症の分類変更を確認する場合は、官報に掲載された政令や厚生労働省が公開している資料を確認することが重要です。
2023年4月28日の官報では、新型コロナウイルス感染症を感染症法上の五類感染症に位置付けるための関係法令の改正内容が示されています。ここで確認できるのは「五類感染症としての位置付け」であり、「五類相当」という独立した分類が新設されたわけではありません。
公的資料を読む際には、「感染症法上の分類」と「対応内容を説明するための表現」を分けて確認すると、誤解が少なくなります。
書籍や解説記事を読む際に注意したいこと
感染症に関する書籍や解説では、制度変更を分かりやすく説明するために「二類相当」「五類相当」という言葉が使われることがあります。
これらの表現自体が必ずしも間違いというわけではありませんが、法律上の分類名と同じ意味で使用すると誤解につながります。
特に感染症法の分類について議論する場合は、「法律上何類なのか」「行政対応として何を行っていたのか」を分けて確認することが大切です。
まとめ
新型コロナ流行時に使われた「二類相当」「五類相当」という表現は、感染症法上の正式な分類名ではなく、主に対応内容を説明するための表現でした。
二類相当とは二類感染症そのものを意味せず、二類に近い厳しい措置が取られていたことを示す言葉です。また、2023年5月以降、新型コロナは正式に五類感染症へ変更され、「五類相当」という別の分類になったわけではありません。
感染症制度を正しく理解するには、書籍や報道の表現だけでなく、感染症法、官報、厚生労働省の公的資料などで正式な位置付けを確認することが重要です。


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