『ヘンゼルとグレーテル』といえばグリム童話の代表作ですが、スティーヴン・キングが文章を手掛け、モーリス・センダックが挿絵を担当した版は、一般的な児童向け絵本とは一線を画す作品として注目されています。ホラー小説の巨匠と世界的絵本作家の組み合わせによって、原作が持つ不気味さや幻想性がより鮮明に描かれています。
どのような作品なのか
本作はグリム童話『ヘンゼルとグレーテル』をベースにした再話作品です。基本的なストーリーは踏襲されていますが、スティーヴン・キングらしい緊張感のある文章表現によって、森で迷う不安や魔女への恐怖が印象的に描かれています。
単なる子ども向けの読み物ではなく、原作童話が持つ残酷さや教訓を改めて感じさせる内容となっています。
モーリス・センダックの絵が圧倒的
本書最大の魅力の一つがモーリス・センダックによる挿絵です。『かいじゅうたちのいるところ』で知られるセンダックは、幻想的でありながらどこか不穏な世界観を表現することに長けています。
本作でも森の暗さやお菓子の家の誘惑、魔女の不気味さが細密なイラストで描かれており、ページをめくるたびに独特の雰囲気を味わえます。
文章だけでなく、絵そのものを鑑賞する価値がある作品です。
子ども向け?それとも大人向け?
絵本という形式ではありますが、必ずしも幼い子ども向けとは言えません。原作童話の持つ恐怖や不安感がしっかり描かれているため、読者によっては怖いと感じるかもしれません。
むしろ童話や幻想文学、ダークファンタジーが好きな大人の読者に高く評価される傾向があります。
もちろん物語自体は分かりやすいため、小学校高学年以上であれば十分に楽しめる内容です。
こんな人におすすめ
| 読者タイプ | おすすめ度 |
|---|---|
| グリム童話が好き | ★★★★★ |
| スティーヴン・キング作品のファン | ★★★★★ |
| モーリス・センダックの絵が好き | ★★★★★ |
| 幻想文学やダークファンタジーが好き | ★★★★☆ |
| 幼児向けの明るい絵本を探している | ★★☆☆☆ |
特に童話の本来の魅力や少し怖い雰囲気を楽しみたい人には相性の良い作品です。
コレクションとしての価値も高い
スティーヴン・キングとモーリス・センダックという、それぞれの分野を代表する作家が共演した珍しい作品であることから、コレクターズアイテムとしても注目されています。
装丁や挿絵の完成度も高く、何度も読み返すというより、手元に置いて眺めたくなる一冊と言えるでしょう。
まとめ
スティーヴン・キング文、モーリス・センダック絵による『ヘンゼルとグレーテル』は、一般的な児童向け絵本というより、童話の持つ幻想性と恐怖を再発見できる芸術性の高い作品です。
美しい挿絵、緊張感のある文章、そして原作の魅力を深く味わえる内容から、童話好きや幻想文学ファンには特におすすめできる一冊です。大人が読む『ヘンゼルとグレーテル』としても十分な読み応えがあります。


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