本屋が満車でも書店が減少する理由とその背景

「本屋がなくなる」「日本人は本を読まない」という報道を耳にしますが、実際に書店に足を運ぶと駐車場が満車で賑わっている光景を目にすることもあります。では、なぜ書店は減少傾向にあるのでしょうか？

書店の減少とその背景

日本の書店数は、2000年の約2万1654店から、2018年には約1万2026店に減少しています。これは、年間で約3店のペースで書店が消えている計算になります。主な原因として、人口減少やインターネット通販、電子書籍の普及などが挙げられます。

書店の経営は、仕入れ価格と販売価格が固定されている再販制度のもと、利益率が低く、経営が厳しい状況にあります。例えば、書店の粗利益率は23〜24%程度であり、これは他の小売業と比較しても低い数字です。

一方で、書店も生き残りをかけて新たな取り組みを始めています。例えば、書店内でワークショップやイベントを開催したり、カフェを併設するなど、単なる本の販売だけでなく、コミュニティの場としての機能を強化しています。

書店が減少している背景には、経営の厳しさや市場環境の変化があります。しかし、書店は単なる本の販売の場ではなく、地域コミュニティの中心としての役割も担っています。今後も書店がその役割を果たし続けるためには、地域との連携や新たなサービスの提供が重要となるでしょう。