少女漫画の王道ヒーローといえば優しくて爽やかな男性を思い浮かべる人も多いですが、それとは違った魅力を持つのが「ツンデレ男子」です。普段は素っ気ない、口が悪い、意地悪なのに、好きな女の子にはふとした瞬間に優しさや独占欲を見せる。そのギャップに惹かれる読者は少なくありません。
ただし、ひとくちにツンデレといっても、王道の俺様系、不器用で感情表現が苦手なタイプ、クール系、ケンカップル系など作品によってかなり雰囲気が異なります。そこで、「男の子側のツンデレ感を楽しみたい」という視点から少女・女性向け漫画を中心に選びやすく整理しました。
なお、「ツンデレ」は公式設定ではなく読者によるキャラクター像の分類として使われる場合もあります。本記事では、単に性格が冷たい男性ではなく、ヒロインへの好意と普段の態度とのギャップを楽しみやすい作品を中心に紹介します。
まず読みたい王道ツンデレ男子の少女漫画
「ツンツンしている男の子がだんだんデレる」という分かりやすい展開を求めているなら、王道タイプから選ぶのがおすすめです。恋愛関係の進展そのものを楽しみやすく、ツンデレ男子が好きになったばかりの人にも向いています。
オオカミ少女と黒王子
八田鮎子による『オオカミ少女と黒王子』は、彼氏がいると嘘をついてしまった篠原エリカと、学校で「王子」と呼ばれる佐田恭也を中心に描くラブコメディです。
恭也は外見上は爽やかな王子様ですが、エリカの前ではかなり意地悪。この「外では王子様、ヒロインにはドS」という落差が作品の大きな魅力です。最初から甘々な男子より、意地悪なヒーローとの関係が徐々に変化する作品が好きな人と相性がよいでしょう。
花より男子
神尾葉子による『花より男子』は、名門校に通う牧野つくしと、F4のリーダー・道明寺司を中心とした少女漫画の代表作です。
道明寺は俺様で短気、素直とは程遠い人物ですが、つくしへの恋心が明確になってから見せる一途さとのギャップが非常に大きいキャラクターです。「強烈なツンから始まって、大好きな女の子にはとことん一途」というタイプが好きなら有力候補になります。
ラブ★コン
中原アヤによる『ラブ★コン』は、身長172cmの小泉リサと、身長156.2cmの大谷敦士による恋愛コメディです。
二人は漫才コンビのように言い合う関係から始まり、大谷も王子様系のヒーローとはかなり違います。リサからの好意に対する鈍感さや素直になり切れない部分も含め、ケンカップル寄りのツンデレ感を楽しみたい人におすすめです。
クールで不器用な男子が好きな人向け
強気な俺様男子よりも、「感情を表に出さないけれど実は優しい」という男性が好きならクール系がおすすめです。派手なデレではなく、表情や行動の小さな変化が魅力になります。
君に届け
椎名軽穂による『君に届け』では、爽子と風早の恋愛が物語の中心ですが、ツンデレ男子という観点では真田龍と吉田千鶴をめぐる関係にも注目です。
龍は感情表現が控えめで、分かりやすく甘い言葉を連発するタイプではありません。しかし千鶴への気持ちは深く、その静かな一途さが魅力です。「ツン」というより「無口・不器用系」の男性が好きな人に向いています。
ストロボ・エッジ
咲坂伊緒による『ストロボ・エッジ』は、恋を知らなかった木下仁菜子と、一ノ瀬蓮を中心に描かれる青春恋愛漫画です。
蓮は攻撃的なツンデレではありませんが、落ち着いていて感情を大きく表に出さないタイプです。恋愛感情によって少しずつ揺れていく姿が描かれるため、「冷たい男子」ではなく「静かなクール男子」を求める人に読みやすい作品です。
となりの怪物くん
ろびこによる『となりの怪物くん』は、勉強第一の水谷雫と、予測不能な吉田春を中心とした青春ラブストーリーです。
一般的な「ツンデレ男子」という分類に完全一致する作品ではありませんが、二人とも対人関係や感情表現がかなり不器用です。普通の王子様系恋愛漫画とは違う、ぎこちない距離感や感情のぶつかり合いを読みたい人にはおすすめできます。
意地悪・ドS・俺様系の男の子が好きならこの作品
少女漫画のツンデレ男子でも特に人気があるのが、ヒロインをからかったり振り回したりするタイプです。「普段これだけ意地悪なのに、そんな顔するの?」というギャップが魅力になります。
黒崎くんの言いなりになんてならない
マキノによる『黒崎くんの言いなりになんてならない』は、赤羽由宇と「黒悪魔」と恐れられる黒崎晴人を中心とした恋愛漫画です。
黒崎はタイトルから想像できる通りかなり強気なヒーローです。優しく穏やかな恋愛というより、ヒロインとヒーローがぶつかりながら距離を縮めていく作品なので、ドS・俺様・強めのツンを求める人には候補になります。
なまいきざかり。
ミユキ蜜蜂による『なまいきざかり。』は、バスケットボール部のマネージャー・町田由希と、後輩の成瀬翔を中心に描くラブコメディです。
成瀬はマイペースで生意気な年下男子。一般的な「好きなのに素直になれないツンデレ」とは少し違いますが、からかいや強引さと、由希に見せる一途さのギャップがあります。
むしろ本作では由希側も感情を表に出すのが苦手なので、素直になれない先輩×生意気で距離感の近い後輩という組み合わせを楽しめます。
きょうのキラ君
みきもと凜による『きょうのキラ君』は、他人とのコミュニケーションが苦手な岡村ニノンと、クラスメイトの吉良ゆいじを描いた恋愛作品です。
キラは単純なツンデレキャラクターではありませんが、軽そうに見える態度の内側に繊細さを抱えています。表面的な印象と本当の姿のギャップがある男子が好きな人に向いています。
ツンデレ男子といえば外せない『会長はメイド様!』
藤原ヒロによる『会長はメイド様!』は、男子が多い星華高校で生徒会長を務める鮎沢美咲と、学校一のモテ男・碓氷拓海を描くラブコメディです。
碓氷は典型的な「ツンデレ男子」とは少し異なり、むしろ余裕のあるからかい系男子です。しかし、美咲をからかいながら重要な場面では助け、彼女に対して強い好意を見せるというギャップがあります。
本作の場合は美咲側のほうが素直になれない要素が強いため、ツンデレ×からかい系男子の掛け合いを楽しみたい人におすすめです。
昔の少女漫画からツンデレ男子を探すのもおすすめ
ツンデレという言葉が一般化する以前から、少女漫画には「口は悪いけれどヒロインを大切にする男子」が数多く登場しています。2000年代以前の作品まで広げると選択肢はかなり増えます。
彼氏彼女の事情
津田雅美による『彼氏彼女の事情』は、学校では優等生として振る舞う宮沢雪野と、有馬総一郎を中心とする青春漫画です。
単純なツンデレ恋愛だけを扱った作品ではなく、登場人物それぞれの内面へ深く踏み込む点が特徴です。表面的には完璧でも本音や弱さを隠している男子が好きなら、読み応えがあります。
フルーツバスケット
高屋奈月による『フルーツバスケット』でツンデレ男子を探すなら、草摩夾は非常に分かりやすい候補です。
夾は短気で口も悪く、感情がすぐ態度に出る一方、本質的には優しく繊細です。主人公・透との関係が深まるにつれて、その不器用な優しさや弱さも描かれていきます。
「乱暴な言葉遣いなのに本当は優しい」「好きな相手ほど上手に接することができない」タイプが好きなら特におすすめです。
学園アリス
樋口橘による『学園アリス』は、特殊能力「アリス」を持つ子どもたちが集まる学園を舞台とした作品です。
日向棗は無愛想で攻撃的な態度を取ることもありますが、物語が進むほど佐倉蜜柑への気持ちが見えてきます。ファンタジーや学園ものとツンデレ男子を一緒に楽しみたい人に向いています。
ファンタジー系でツンデレ男子を楽しめる少女漫画
普通の高校生活だけではなく、ファンタジー世界や特殊な設定のある作品にも魅力的なツンデレ男子は登場します。
神様はじめました
鈴木ジュリエッタによる『神様はじめました』は、ひょんなことから土地神になった桃園奈々生と、神使の巴衛を中心とする和風ファンタジーラブコメです。
巴衛は最初から奈々生に優しい男性ではありません。人間に対する冷淡さや尊大な態度も見せますが、関係が深まるにつれて奈々生を大切にする気持ちが強くなっていきます。
クール、美形、毒舌、強い、でもヒロインには次第に甘くなるという組み合わせが好きなら特に相性のよい作品です。
暁のヨナ
草凪みずほによる『暁のヨナ』は、王女ヨナが過酷な運命を経験しながら成長していく大河ファンタジーです。
ハクはヨナをからかうことが多く、主従関係もあるため、自分の恋愛感情をそのまま表に出せない場面があります。ヨナを命懸けで守る一途さとの落差が大きな魅力です。
恋愛だけでなく冒険や戦い、人間ドラマもしっかり読みたい人に適しています。
ツンデレ男子好きにおすすめ作品をタイプ別に整理
どの作品から読むか迷った場合は、「どんなツンが好きなのか」で選ぶと失敗しにくくなります。
| 好み | おすすめ作品 | 男子の特徴 |
|---|---|---|
| 王道俺様 | 花より男子 | 強気・短気・一途 |
| ドS系 | オオカミ少女と黒王子 | 外面は王子、ヒロインには意地悪 |
| 強めのツン | 黒崎くんの言いなりになんてならない | 強気・俺様系 |
| ケンカップル | ラブ★コン | 言い合いが多く素直になれない |
| 生意気な年下 | なまいきざかり。 | からかい系・一途 |
| 不器用系 | フルーツバスケット | 短気だが根は優しい |
| クール美形 | 神様はじめました | 毒舌・冷淡から変化 |
| 主従+一途 | 暁のヨナ | からかいながら命懸けで守る |
| ファンタジー学園 | 学園アリス | 無愛想・不器用 |
| 静かな男子 | 君に届け | 無口で一途 |
特に「ツンデレ」という言葉から想像するキャラクターに近いものを優先するなら、『フルーツバスケット』の草摩夾、『神様はじめました』の巴衛、『花より男子』の道明寺司あたりから選ぶと分かりやすいでしょう。
甘々になるまでの過程を楽しみたいなら長編作品も相性がいい
ツンデレ男子の魅力は、最初から優しいことではなく、関係が深まることで態度が変化していく点にあります。そのため数話で完結する短編より、複数巻にわたって関係を描く長編作品との相性が非常によいジャンルです。
例えば『神様はじめました』では奈々生と巴衛、『フルーツバスケット』では透と夾の関係が物語を通じて変化していきます。序盤と終盤を比較すると、同じキャラクターでもヒロインへの接し方が大きく変わっています。
「付き合った瞬間だけが見たい」というより、嫌い・苦手・素直になれない状態から、特別な存在になっていく過程が好きな人ほどツンデレ系少女漫画を楽しみやすいでしょう。
ツンデレ男子の作品を選ぶときの注意点
ツンデレと呼ばれるキャラクターには、軽い毒舌からかなり強い俺様系まで大きな幅があります。そのため「ツンデレなら何でも好き」とは限りません。
特に昔の少女漫画では、現在の感覚ではかなり強引に感じられる恋愛表現が登場することがあります。強引な男性キャラクターが苦手なら、購入前に作品紹介や試し読みで雰囲気を確認することをおすすめします。
反対に、刺激の強い俺様男子を求めている人が穏やかなクール系作品を選ぶと物足りなく感じる可能性があります。「俺様」「毒舌」「不器用」「無口」「からかい系」など、自分が好きな要素を一つ決めて探すと作品を見つけやすくなります。
まとめ:ツンデレ男子の少女漫画は好みの「ツン」の種類から選ぼう
男の子がツンデレな少女漫画を探しているなら、『花より男子』『オオカミ少女と黒王子』『ラブ★コン』『黒崎くんの言いなりになんてならない』『なまいきざかり。』『フルーツバスケット』『神様はじめました』『学園アリス』『暁のヨナ』など、さまざまな選択肢があります。
なかでも王道の「普段はツンツンしているのに、好きな女の子には不器用な優しさを見せる」というタイプなら『フルーツバスケット』の草摩夾、クール美形なら『神様はじめました』の巴衛、強烈な俺様系なら『花より男子』の道明寺司が代表的です。
また、「ツンデレ」という分類だけに限定せず、毒舌男子、生意気な年下男子、無口男子、俺様男子、からかい系男子、ケンカップルまで広げると好みに合う作品が一気に増えます。
最初から甘いヒーローとは違い、ツンデレ男子の恋愛漫画では「この人がいつデレるのか」という期待そのものが楽しみになります。まずは自分の好きなツンデレタイプに近い作品から読み始めると、お気に入りの一作を見つけやすいでしょう。


コメント