『IS〈インフィニット・ストラトス〉』は、弓弦イズルによるライトノベル作品です。テレビアニメ化をはじめ大規模なメディアミックスが行われた人気シリーズですが、原作小説は第12巻が2018年4月25日に発売されて以降、長期間にわたって続刊が刊行されていません。そのため、作者は現在何をしているのか、なぜ第13巻を書かないのかと疑問を持つ読者も少なくありません。
特に2024年9月には、弓弦イズル本人のSNS投稿として、IS第13巻について「金にならない」という趣旨や、「金を産まないといけない」「忙しくてそれどころじゃない」という趣旨の発言が広まりました。しかし、この発言だけから「ISを書かずに具体的に何の仕事で忙しいのか」まで断定することはできません。
一方で、その後の活動を確認すると、弓弦イズルは創作そのものを完全にやめたわけではなく、2025年には小説投稿サイト「カクヨム」で別作品を公開しています。この記事では、公式に確認できる刊行状況と本人の公開活動を分けながら、IS第13巻をめぐる状況を整理します。
- 『IS〈インフィニット・ストラトス〉』原作は第12巻で止まっている
- 2024年の「金にならない」「忙しい」という発言は何だったのか
- 「忙しい=別の仕事を大量に抱えている」とは限らない
- 「金にならない」はISそのものが一切収益を生まないという意味とも限らない
- 実は2025年には別の小説をカクヨムで公開している
- 新作を書けるなら、なぜIS第13巻を書かないのか
- 第13巻は出版中止・打ち切りと正式発表されているのか
- 作者がISを書き続ける義務はあるのか
- 「仕事あるんですか?」について公開情報から分かること
- ネット上の発言を調べるときは日付と文脈に注意
- まとめ:ISを書いていない理由と「忙しい」の意味は分けて考える必要がある
『IS〈インフィニット・ストラトス〉』原作は第12巻で止まっている
『IS〈インフィニット・ストラトス〉』は2009年にスタートしたライトノベルです。アニメ第1期は2011年、第2期『IS〈インフィニット・ストラトス〉2』は2013年に放送され、シャルロット・デュノアやセシリア・オルコットなど多数の人気キャラクターを生み出しました。
原作小説は出版社移籍などを経ながら刊行が続き、第9巻が2014年、第10巻が2015年、第11巻が2017年、そして第12巻が2018年4月25日に発売されています。TBSのアニメ公式サイトでも、第12巻までの発売情報を確認できます。[参照:TBS『IS〈インフィニット・ストラトス〉2』書籍情報]
つまり、少なくとも商業出版された本編については第12巻から非常に長い空白期間が生じています。読者から「13巻はどうなったのか」という声が出るのは、この刊行間隔を考えれば自然なことです。
2024年の「金にならない」「忙しい」という発言は何だったのか
大きな話題になったのが、2024年9月9日前後の弓弦イズル本人のXでの投稿です。複数のニュース・まとめ媒体が当時の投稿を記録しており、そこではIS第13巻について、義務感や責任感から頭にはあるものの、「金にならないからやらない」という趣旨の発言がありました。
さらに「金を産まないといけない」「忙しくてそれどころじゃない」という趣旨の投稿もあり、これらの言葉だけが切り取られて広く拡散されました。[参照:2024年9月当時の投稿を掲載した記事]
ただし、ここで重要なのは、この「忙しい」が「IS以外の特定の仕事でスケジュールが埋まっている」という意味だと確認されているわけではないことです。当時の一連の投稿を読む限りでは、むしろ収入につながることをしなければならないという文脈で使われていました。
「忙しい=別の仕事を大量に抱えている」とは限らない
一般的に「作家が忙しい」と聞くと、別の小説、ゲームシナリオ、アニメ脚本などを大量に担当している状況を想像しがちです。しかし弓弦イズルの当時の発言については、そのような具体的な仕事の一覧が示されたわけではありません。
例えば会社員が「今は生活のために忙しくて趣味の小説を書けない」と言った場合、その人物が小説以外の何に時間を使っているのかは、その発言だけでは分かりません。同様に、作者の「忙しい」という一語だけを根拠に、特定の職業や仕事内容を推測するのは避けたほうが正確です。
確認できる事実は「IS第13巻より収入につながることを優先する」という趣旨の発言を本人がしていたことまでであり、「その収入源は○○である」と公的な資料なしに断定すると推測になってしまいます。
「金にならない」はISそのものが一切収益を生まないという意味とも限らない
もう一つ注意したいのが「金にならない」という表現です。『IS』はアニメ化やコミカライズ、映像商品、ゲーム、フィギュアなど多数の商品展開が行われた作品です。そのため、この発言をそのまま「ISというIPから作者には現在1円も入らない」という意味に置き換えることはできません。
小説家が新刊を書く場合には、長期間のプロット作成、執筆、推敲などが必要です。そして実際に本として出版できるか、どの程度売れるか、執筆時間に対してどの程度の収益になるかという問題は別にあります。
したがって、このケースでの「金にならない」は、少なくとも公開された発言の範囲では第13巻などの原稿を書くことについて経済的な優先順位を低く考えていたと理解するのが無難です。具体的な契約条件や印税、出版社との交渉内容は公開情報なしには判断できません。
実は2025年には別の小説をカクヨムで公開している
「では現在はまったく小説を書いていないのか」という点については、公開情報から確認できる動きがあります。弓弦イズル名義のカクヨムアカウントでは、2025年に『鈍色茨のアドラステア』という現代ファンタジー作品が公開されています。[参照:カクヨム 弓弦イズル作品一覧]
確認できるプロフィールでは2025年2月にカクヨムへ登録しており、『鈍色茨のアドラステア』は複数話にわたる作品として公開されています。つまり、少なくとも2025年時点では「ISを書いていない=創作活動を完全に停止している」という状態ではありません。
これはISの続刊とは別の話ですが、「作者は何も書いていないのか」という疑問を考えるうえでは重要な情報です。ISとは異なる新作を執筆・公開する活動を行っていたことは、実際の公開ページから確認できます。
新作を書けるなら、なぜIS第13巻を書かないのか
ここは読者にとって最も疑問が残りやすい部分です。しかし「小説を書く時間があるなら、その時間をISに使えるはず」と単純には言い切れません。商業シリーズの続刊と、作者自身が投稿サイトで発表する作品では、成立するための条件が異なるからです。
商業出版では作者が原稿を書くだけで本が発売されるとは限らず、出版社との契約、企画、編集、イラスト、制作、流通などさまざまな要素が関係します。また作者自身がその作品を書く意思を持っているかという問題もあります。
弓弦イズルの場合、2024年の本人発言では第13巻の存在を認識しつつも執筆を進めない意思を示していました。その後に別作品を書いていることは確認できますが、そこから「ISを書けない理由はこれだ」と一つの原因を断定することはできません。
第13巻は出版中止・打ち切りと正式発表されているのか
この点では「長期間出ていない」という事実と「出版社から正式に打ち切りが発表された」という状態を分ける必要があります。ネット上では「打ち切り」「絶筆」などさまざまな言葉が使われていますが、SNS上で作者が強い表現をしたことと、出版社が正式にシリーズ終了を告知することは同じではありません。
一方、読者側から見れば第12巻の発売が2018年であり、その後長期間にわたって第13巻が商業出版されていないことも事実です。したがって現状を説明するときは、「第12巻以降、続刊が長期間刊行されていない」と表現するのが最も確実です。
今後13巻が絶対に発売されない、あるいは必ず発売されると断言できる公式情報がない限り、将来については確定情報と推測を分ける必要があります。
作者がISを書き続ける義務はあるのか
長年シリーズを追ってきた読者からすれば、最終巻まで読みたいと思うのは当然です。特に物語が完結していない作品では、「せめて結末だけでも知りたい」という気持ちが強くなります。
一方で、作家が一つのシリーズを生涯書き続けなければならないという一般的な義務があるわけでもありません。実際の出版については作者だけでなく出版社との契約なども関係するため、外部の読者が公開情報だけから事情のすべてを把握することはできません。
そのため「なぜ書かないのか」を考える際には、作者への評価と事実確認を分けることが大切です。「続刊を出してほしい」という読者としての希望は成立しますが、「別の仕事をしていないのだから暇なはず」というところまで進むと、公開されていない私生活や仕事を推測することになります。
「仕事あるんですか?」について公開情報から分かること
公開情報だけで本人の収入源や仕事量を網羅することはできません。そのため「現在はこの仕事で生計を立てている」と断定することはできません。
ただし、少なくとも弓弦イズルは2025年にカクヨムで別作品を公開しているため、作家としての創作活動が完全に途絶えているわけではありません。[参照:カクヨム 弓弦イズル作品一覧]
逆に、公開された作品があることだけを理由に「それが現在の主な仕事・収入源である」と判断することもできません。本人の仕事や収入の全容について、公開情報以上のことを事実として扱わないのが適切です。
ネット上の発言を調べるときは日付と文脈に注意
ISの続刊問題を検索すると、作者のSNS投稿を切り取ったまとめ記事や掲示板のコメントが多数表示されます。しかし、第三者のコメントは作者本人の説明ではありません。
例えば「作者は○○の仕事をしているから忙しい」「出版社と揉めたから出せない」などと書かれていても、根拠となる一次情報が示されていなければ事実とは限りません。SNSのスクリーンショットについても投稿日時や前後の発言を確認する必要があります。
E-E-A-Tの観点でも、作品の発売日なら出版社・アニメ公式サイト、現在公開されている作品なら本人名義の投稿ページというように、できるだけ一次情報に近い資料を確認することが重要です。
まとめ:ISを書いていない理由と「忙しい」の意味は分けて考える必要がある
『IS〈インフィニット・ストラトス〉』の商業出版された原作は、第12巻が2018年4月25日に発売されて以降、長期間続刊が出ていません。[参照:TBS公式 書籍情報]
2024年9月には弓弦イズル本人が、IS第13巻について「金にならない」という趣旨とともに、収入につながることをしなければならず「忙しい」という趣旨の投稿を行ったことが広く報じられました。ただし、その「忙しい」の具体的な仕事内容まで本人が明確に説明した情報は確認できず、外部から特定の職業や収入源を断定することはできません。
一方で、2025年にはカクヨムで『鈍色茨のアドラステア』など別の創作活動を行っていることが確認できます。このため「ISを書いていないから何も書いていない」という理解も正確ではありません。
現時点で整理できるのは、「IS第13巻は長期間刊行されていない」「2024年には本人が経済的な理由を示唆して執筆しない趣旨を投稿した」「その後も別作品の創作活動は確認できる」という3点です。第13巻の将来については、作者または出版社から新たな正式情報が出るまでは、ネット上の推測と確認済みの事実を分けて見るのがよいでしょう。


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