「あした出る船」という題名の絵本を小学校の図書館で何度も読んだ記憶があるのに、いくら探しても見つからない──そんな体験をお持ちの方は少なくありません。特に60年ほど前の児童書は、絶版や資料散逸により所在不明になっているケースも多く、記憶だけが残っている作品も存在します。本記事では、この切ない物語の正体を探るための視点と、具体的な調査方法をわかりやすく整理します。
「あした出る船」のあらすじが示す物語の特徴
男の子が船に乗って帰ろうとすると、いつもそこにあるのは「あした出る船」。翌日行ってもまた「あした出る船」で、結局乗れないまま──という構造は、時間のずれ・希望と喪失・子どもの孤独といったテーマを強く感じさせます。
このようなモチーフは、1950〜60年代の児童文学や翻訳絵本に多く見られ、海外作品の翻訳である可能性も考えられます。
なぜ国会図書館にも見当たらないのか
「国会図書館にない=存在しない」と思われがちですが、実際には戦後の地方出版社や自主出版の児童書は納本されていない例もあります。
また、雑誌付録や学年誌掲載の短編絵本だった場合、単行本として登録されていない可能性もあります。
似たテーマの絵本・童話との比較
「待ち続けても来ない」「約束が果たされない」という構図は、国内外の童話にしばしば見られます。例えば、海外の寓話やフランス・北欧系の翻訳絵本に、似た設定の作品が存在します。
ただし、「あした出る船」という直截な表現は日本語独自の可能性もあり、邦題のみが記憶に残っているケースも十分考えられます。
具体的な調査方法と探し方のコツ
まず、国立国会図書館サーチだけでなく、都道府県立図書館・市立図書館の郷土資料も個別に検索するのがおすすめです。
次に、1960年前後の「小学○年生」「幼稚園」「こどものとも」などの学年誌・月刊誌のバックナンバーを確認すると、付録絵本として掲載されている場合があります。
実際に見つかるケースの具体例
過去には、「題名が違っていた」「作者名だけがうろ覚えだった」ことで長年見つからなかった絵本が、図書館司書の協力で判明した例もあります。
例えば、地域の読み聞かせボランティアや元司書の方が記憶していたというケースもあり、人の記憶が手がかりになることも少なくありません。
記憶の絵本を探すためにできること
図書館のレファレンスサービスに、「あらすじ」「読んだ年代」「場所(小学校の図書館)」を詳しく伝えることで、専門的に調査してもらえます。
また、SNSや読書系掲示板で同様の記憶を持つ人を募ると、思わぬ形で情報が集まることもあります。
まとめ:幻の絵本は存在する可能性が高い
「あした出る船」という切ない物語は、記憶の鮮明さや複数人が語る内容の一致から見ても、実在した可能性が高い作品と考えられます。
絶版・未登録・付録扱いなどの理由で表に出ていないだけで、どこかの書庫や個人蔵書に眠っているかもしれません。焦らず、少しずつ手がかりを集めていくことが、再会への近道になります。


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