湊かなえさんの小説『告白』は、その衝撃的なストーリーと登場人物たちの深い心理描写で話題となり、多くの読者に強烈な印象を与えました。その作品が「イヤミス」と呼ばれることがありますが、果たして『告白』は本当にイヤミスに分類されるのでしょうか?この記事では、その問いに迫り、イヤミスとは何か、そして『告白』がどのようにそのジャンルに該当するのかを解説していきます。
イヤミスとは?
イヤミス(イヤミス小説)とは、「読後に嫌な気分になるミステリー小説」の略称で、心理的な圧迫感や不快感、登場人物の歪んだ心情が描かれる作品に使われることが多いジャンルです。このジャンルの特徴は、物語の中で不快感や恐怖を感じさせる展開が重視され、最終的に読者が後味の悪い思いを抱えてしまうことが多いことです。
イヤミスの作品は、通常のミステリーとは異なり、サスペンスや犯罪の背後にある人間の暗い部分が強調されます。登場人物の内面が複雑で、時には視点が切り替わり、読者にとって衝撃的な展開が待ち受けています。
『告白』はイヤミスに該当するか?
『告白』は、確かにイヤミスに分類できる作品です。物語の中心には、主人公である教師の告白があり、彼女の背負う過去や複雑な感情が物語を通して描かれます。その中で、登場人物が抱える暗い過去や精神的な葛藤、さらに物語が進むにつれて明らかになる恐ろしい事実が、読者に強い不快感や衝撃を与えるのです。
また、物語の進行が予測不可能で、登場人物が織り成す複雑な人間関係もイヤミスの特徴です。特に最後に明かされる衝撃的な事実は、読者にとって後味の悪さを引き起こし、非常に強い印象を残します。
『告白』の特徴的な要素
『告白』の最大の特徴は、何と言ってもその登場人物たちの心理描写です。彼らが抱える心の闇や苦悩が描かれ、それが物語を引っ張る力になっています。特に教師である主人公が自らの秘密を告白するシーンは、その後の展開を一変させ、読者に衝撃を与えます。
また、物語が進むにつれて、誰が本当に正しいのか、誰が悪者なのかという問いが浮かび上がり、読者の感情を揺さぶります。『告白』はその構造や展開から、まさにイヤミスの定義にぴったりと当てはまる作品と言えるでしょう。
まとめ
湊かなえの『告白』は、その不快感を引き起こす登場人物の心理描写や衝撃的な展開から、「イヤミス」と呼ばれることが多い作品です。読後感が悪く、後味の悪い思いを抱かせる点において、まさにイヤミスの特徴を持つ作品と言えます。イヤミスというジャンルが好きな読者には特におすすめできる作品です。


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