絵本『おもちのきもち』は、かわいらしい絵柄と物語の内容にも関わらず、なぜか「怖い」と感じる読者がいます。特に鏡餅の心情「いつなんどきおろされることやら」に共感しすぎて辛くなるという感情を抱く人もいるようです。この記事では、この絵本が引き起こす不安や共感の理由を探り、その背後にある感情的なメカニズムについて考察します。
『おもちのきもち』に共感し過ぎる理由
『おもちのきもち』に描かれている鏡餅の心情、「いつなんどきおろされることやら」というセリフには、何か不安や恐怖を感じさせる力があります。このフレーズは、物語の中で鏡餅が自身の運命に対する不安を抱えている様子を表しており、読者はその感情に共感してしまいます。
この共感が、絵本に対して「怖い」と感じる原因の一つです。特に、鏡餅が食べられる運命にあるという点が、無力感や不安を引き起こし、その感情が読者の心に強く刺さることになります。
かがくいひろしさんの画風とその影響
絵本『おもちのきもち』を手掛けたかがくいひろしさんの画風は、愛らしさを感じさせる一方で、時に切なくて不安を引き起こす要素を持っています。彼の絵本に登場するキャラクターたちは、見た目は可愛らしいものの、その内面にある不安や葛藤を暗示するような描写が多く、これが絵本を読んでいる最中に不安を感じさせます。
かがくいさんの絵は、キャラクターが直面する運命や感情の葛藤を描く力を持っており、特に鏡餅の心情に共感することで、読者はその感情に引き込まれ、絵本を「怖い」と感じることが多いのです。
共感の感情が引き起こす不安と辛さ
『おもちのきもち』に限らず、キャラクターの心情に深く共感することで、読者は感情的に巻き込まれ、不安や辛さを感じることがあります。例えば、動物や食べ物を擬人化した絵本や物語では、キャラクターが自分の運命に悩む姿に共感し、胸が痛くなることがあります。
『おもちのきもち』では、鏡餅がその運命を避けられないことを理解している様子が描かれており、その無力さに共感することで、不安や辛さを強く感じることになります。この感情的な反応が、絵本を「怖い」と感じる原因の一つです。
類似した感情を引き起こす他の作品
『おもちのきもち』と同じような感情的な要素を持つ作品には、春風亭昇太さん作の新作落語『愛犬チャッピー』や、アニメ『スパイファミリー』、または『もうじき食べられるぼく』のような作品があります。これらは、動物やキャラクターが自分の運命に悩む姿を描き、読者や視聴者に感情的な反応を引き起こします。
『おもちのきもち』の鏡餅のように、登場キャラクターが避けられない運命に直面しているというテーマは、多くの人々に強い共感を呼び、感情的な影響を与えることが多いです。
まとめ
『おもちのきもち』が「怖い」と感じられる理由は、鏡餅の心情に対する共感から生まれる不安や辛さが影響しています。かがくいひろしさんの画風と合わせて、絵本に描かれたキャラクターの感情に深く共感することで、読者はその感情に巻き込まれ、絵本を「怖い」と感じることが多くなります。このような感情的な共鳴が、絵本の魅力でもあり、同時にその怖さの原因でもあるのです。

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