小説公募で落選した作品をSNSに掲載していい?応募規約と著作権の観点から解明

小説

小説の文学賞へ応募した作品を経て「落選した場合でも、自分のSNSに掲載して構わないのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。応募規約・著作権・出版権の三つの観点から整理することで、安心して作品を活用できるようになります。

応募規約と著作権の基本構造

まず、多くの文学賞・創作公募では「応募作品の著作権は応募者に帰属する」旨の記載があります。たとえば、ある大賞のFAQでは「応募作品の著作権は、クリエイターに帰属します」と明記されています。 [参照]

しかし一方で「受賞作品の複製・出版・映像化権など利用権(出版権)は主催者に優先権がある」という規約も散見されます。たとえば「第2回東京中野文学賞」ではそのように示されています。 [参照]

「落選」後にSNS掲載できるかの判断ポイント

落選作品をSNSに投稿できるかどうかは、以下のポイントをチェックする必要があります。

  • 応募規約に「応募作品を公募中/選考中は公開禁止」「応募後の二次利用不可」などの条件があるか。
  • 著作権・出版権・利用権の帰属がどうなっているか。応募規約に「応募作品の著作権を主催者に譲渡する」といった記載があれば、本人の自由な利用が制限される可能性。 [参照]
  • そもそも「未発表作品」に限る公募かどうか。未発表作品を条件としていて、ウェブ上に先に掲載していたものを応募した場合、作品が無効とされるケースもあります。 [参照]

例えば、落選した作品でも「応募規約で著作権を応募者に帰属」としており、SNS・投稿サイト等での公開を特段に制限していない公募であれば、自分のSNSに掲載することが原則的に可能です。

応募規約で注意すべき「リスクのある記載」実例

注意すべき例として、「応募した時点で著作権を主催者に放棄したとみなされる」という規約があります。これは極めてリスクが高い条件とされ、落選した後も本人が自由に作品を二次利用・公開できない可能性があります。 [参照]

また、「応募作品を主催者が無償で利用・第三者に提供できる」という記載がある公募では、自分のSNSでの公開を「主催者の利用契約」と併存させる形で考える必要があります。たとえば「応募作品の著作権は応募者に帰属するが、主催者は応募作品を無償で利用できる」という記載の応募要項も存在します。 [参照]

SNS掲載前にできる安全な手順

作品をSNSに掲載する前に、次のステップを踏むと安心です。

  • 応募規約の「著作権・利用権・再掲条件」の項を全文確認し、「落選後の利用可否」をチェック。
  • 応募時点で「未発表」条件があったかどうかを振り返る。応募時点では自分のブログ・SNSに投稿していなかったかどうか確認。
  • SNSで掲載する際には、「応募作品だったが落選したため公開します」など、状況を明記しておくとトラブルを避けやすい。

このような配慮があれば、作品をきちんと自分のポートフォリオとしても活用できます。

まとめ

結論として、文学賞に落選した作品をSNSに掲載できるかどうかは、主に「応募規約で著作権・利用権がどう定められているか」によります。多くの公募では著作権が応募者に帰属すると明記されていますが、一方で主催者側の利用権・優先出版権が設定されている場合もあります。SNS公開を考える際には、応募時の規約を確認し、問題がなければ安心して作品を活用していきましょう。

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