『チェンソーマン』のレゼ篇は、主人公・デンジが新たな感情に直面する重要なエピソードです。特に、レゼからの告白、そしてデンジが抱える“仕事の目標”＝マキマと“銃の悪魔”討伐という使命との関係が、物語のひとつの焦点となっています。本記事ではその背景を整理し、デンジの“気持ち”がどこにあるのかを考察していきます。
デンジの目的とマキマとの関係
デンジは物語初期から、極限的な貧困と借金の中で「女と抱かれてから死にたい」という夢を持っていたと言われています。レゼ篇に入る前も、マキマが出会った存在として“近づきたい”対象でした。 [参照] 参照
さらにマキマはデンジに対して「銃の悪魔を倒したら願いを一つ叶える」と約束しており、これはデンジが“仕事の目標＝銃の悪魔討伐”を持つ直接の理由になっています。 [参照] 参照
レゼからの告白とデンジの揺れ動き
レゼ篇では、デンジは雨宿りの電話ボックスでレゼに出会い、距離が縮まっていきます。彼女はデンジに対して好意を示し、告白ともとれる言葉を口にします。 [参照] 参照
この時点でデンジは「レゼのことは好きだ」と感じながらも、“自分には仕事（銃の悪魔を倒す）という目標がある”“マキマという関係性（憧れの女性／上司）もある”という二つの軸に挟まれ、明確に答えを出せずに葛藤します。 [参照] 参照
「仕事の目標」と「恋愛対象」はイコールではない？
レゼ篇を読み解くうえで重要なのは、デンジが「マキマと付き合いたい」＝感情的な“好き”と捉えているわけではない可能性が高いという点です。マキマとの関係は“目標達成”のための契約的側面が強く、デンジにとっては憧れとともに「認めてもらいたい／生き延びたい」という動機も含まれています。 [参照] 参照
つまり、レゼに対して“好き”と感じる一方で、仕事の目標としてマキマを想うという構図は、「マキマ＝好き」という直線的な感情ではなく、「マキマ＝目的」「レゼ＝感情的な選択肢」という分離が行われていると考えられます。
実例から見るデンジの感情の“分岐点”
具体的に、レゼがプールでデンジに泳ぎを教えるシーンでは、デンジが“初めて誰かに近づかれる安心感”を得る反面、レゼの真意が見えない不安も描かれています。 [参照] 参照
一方で、マキマとの映画デート（劇場版では描写されています）では、デンジがマキマとの“普通のデート”を通じて「自分にも心があるんだ」という確認を得ると同時に、「この先どうしたいか」という目的を再確認する契機になっています。 [参照] 参照
総合的にみて「マキマのこともまだ好き？」の問いへの答え
結論としては、「はい・いいえ」の単純な回答にはなりません。デンジが“マキマのこともまだ好きかどうか”という問いに対しては、「確かな“恋愛感情としての好き”ではなく、彼女が象徴する目標・憧れ・契約関係に対する執着」が強く絡んでいると読み取れます。
つまり、レゼに対しては“好き”という感情が明確に芽生え始めており、マキマに対しては“目指すべきもの／認められたい相手”という役割が意識されている。デンジ自身がその違いを自覚しながらも、混在した感情と目的のなかで揺れている状態と言えます。
まとめ
『チェンソーマン』レゼ篇では、デンジ・レゼ・マキマの三角関係が、単純な恋愛ドラマではなく「目的」と「感情」の交錯として描かれています。デンジが“レゼを好きだ”と認める一方で、マキマに対しても“目標としての好き”を持ち続けているのは、その構造が影響しています。したがって、「レゼが好きなのに仕事の目標は諦めきれてない＝マキマもまだ好きか」という問いには、“感情的な好き”と“目的としての好き”を分けて考えると理解しやすいでしょう。
コメント