日本の歴史を舞台にしたSF作品は、歴史の枠を越えた想像力を駆使し、読者を新たな視点に引き込む魅力的なジャンルです。五十嵐貴久の『相棒』や青柳碧人の『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』のような作品を好まれている方には、さらに新たな歴史改変SFの世界をお勧めしたいと思います。ここでは、2000年以降に発表された日本の作家による、異なる歴史の流れを描いた作品を紹介します。
1. 『ジェノサイド』(高橋源一郎)
『ジェノサイド』は、第二次世界大戦後の日本を舞台に、歴史を覆すような「もしも」の世界を描いた作品です。この小説は、戦争とその影響をテーマにし、政治的な背景と壮大な物語が絡み合いながら進行します。特に、戦後の日本の未来を一変させるような内容が、歴史改変SFの枠を超えて広がりを見せます。
2. 『空飛ぶタイヤ』(池井戸潤)
池井戸潤の『空飛ぶタイヤ』は、歴史改変の要素を含んだ作品ではありませんが、商業や政治、企業の力がどのように社会を動かしていくかという視点を提供しています。現代的な問題に焦点を当てた物語は、もしも企業が歴史を動かしていたらどうなるのか、という問いを投げかけています。
3. 『暗黒の戦国』(小松左京)
小松左京の『暗黒の戦国』は、戦国時代を背景に、もし歴史が違った方向に進んでいたらという仮定をもとに描かれています。物語は、戦国時代の社会構造を変革する戦争を描き、主人公がその運命に翻弄されながらも、自らの使命を全うしようとする姿勢が描かれています。歴史改変SFの要素を取り入れつつ、時代背景と登場人物の成長に焦点を当てた作品です。
4. 『翔ぶ男』(伊坂幸太郎)
伊坂幸太郎の『翔ぶ男』は、平凡な日常が突如として異世界に変貌するという発想から生まれたSF作品です。現代の日本に生きる主人公が突然、過去の世界に飛ばされ、そこでの出来事が物語を動かしていきます。日本の歴史や社会の枠組みを超えて、異なる時代に生きる人々との交流が描かれています。
5. 『カササギ殺人事件』(東野圭吾)
東野圭吾の『カササギ殺人事件』も、歴史改変SFの要素を含んだ作品として評価されています。物語の中で、殺人事件を追う主人公が時間を遡り、過去の出来事を変えようとする。歴史の中に潜む秘密が明らかになるにつれ、現実とフィクションの境界が曖昧になり、読み手を引き込む要素が満載です。
まとめ
日本の歴史を舞台にした歴史改変SFの作品は、物語を展開する舞台としての独自の魅力を持っています。五十嵐貴久や青柳碧人のような作家に触発された方々には、上記のような作品群が大変お勧めです。それぞれが持つ独自の視点と、物語の裏に潜む深いテーマ性に触れながら、次なる歴史の改変を楽しんでいただけることでしょう。


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