東畑開人『カウンセリングとは何か──変化するということ』:心理学初心者でも楽しめる心の読み物

話題の本

東畑開人さんの著書『カウンセリングとは何か──変化するということ』は、臨床心理学を専門とする著者が、カウンセリングの本質とその実践について語った一冊です。心理学に詳しくない方でも理解しやすい内容となっており、専門書というよりは人の心に寄り添う読み物として楽しめます。

心理学初心者にも優しい構成

本書は、心理学の専門用語や難解な理論を避け、日常的な言葉でカウンセリングの実際とその意義を説明しています。第1章では「カウンセリングとは何か」と題し、心の問題にどう向き合うかを考察。第2章以降では、心の問題を解析し、現実を動かす作戦会議としてのカウンセリング、心を揺らす冒険としてのカウンセリングなど、多角的な視点からカウンセリングを探求しています。

心に寄り添う実践的な内容

著者は、カウンセリングを単なる問題解決の手段ではなく、「心の問題で苦しんでいる人に対して、心理学的に理解し、それに即して必要な心理学的な介入を行う専門的な営み」と定義しています。これにより、読者はカウンセリングがどのように行われ、どのような効果を期待できるのかを具体的にイメージすることができます。

心の問題に対する深い洞察

本書では、心の問題を「霊のせいでもなく、神のせいでもなく、身体のせいでもない」とし、最後に「心のせいなのね」と考えることの副作用についても触れています。過剰な自己責任にカウンセリングが加担してしまう可能性について警鐘を鳴らし、心に着目しすぎることのリスクを考察しています。

まとめ

『カウンセリングとは何か──変化するということ』は、心理学に詳しくない方でも理解しやすく、心の問題に寄り添う内容となっています。専門書というよりは、心のケアや人間関係に興味がある方にとって、読みやすく、かつ深い洞察を得られる一冊です。

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