映画『空白』が胸糞悪く、善悪が曖昧でどんどん狂って壊れていくストーリーに心を揺さぶられた方におすすめしたい、小説についてご紹介します。『空白』のように、道徳的にグレーな部分が多く、登場人物がどんどん追い込まれていくような作品が好きな方にぴったりの作品を厳選しました。
『空白』のようなテーマを持つ小説の特徴
映画『空白』は、ある事件を巡る人々の感情の揺れ動き、善悪の境界が曖昧な状況、そして登場人物が壊れていく様子が描かれています。こうしたテーマを扱った小説も、多くは人間のダークサイドや社会の不条理に焦点を当て、感情的に強く揺さぶられるものが多いです。読者に不快感を与える一方で、深く考えさせられる作品として評価されることが多いです。
このような作品には、道徳的に難しい選択を迫られる登場人物や、壊れていく人間関係、そして社会に対する不信感や絶望感を描くものがあります。
おすすめの小説:『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は、道徳と人間性の定義について問い直す作品で、『空白』に似たテーマを持っています。物語は、ロボットと人間の区別がつかなくなる未来社会を舞台にし、登場人物たちは自己と他者、善と悪の境界が曖昧な状況に直面します。
人間とアンドロイドの違いがもはや定義できない状況で、人間らしさとは何かを問い続ける本作は、読者に深い考察を促します。登場人物が次第に壊れていく過程も描かれており、胸糞悪く感じる場面も少なくありません。
おすすめの小説:『コンビニ人間』
村田沙耶香の『コンビニ人間』も、社会の期待に応えられない人間の苦しみを描いており、非常に独特な雰囲気があります。社会に適応できない主人公がどんどん追い詰められていく様子が描かれており、登場人物が理想と現実の間で悩み、苦しむ点が『空白』に似ています。
物語は、社会の枠組みの中で「普通でなければならない」というプレッシャーに苦しむ人々の姿を描き、善悪の判断が曖昧になる瞬間が多くあります。誰もが正しくなく、登場人物が壊れていく様子が強烈な印象を与えます。
おすすめの小説:『告白』
湊佳苗の『告白』は、ある教師が自らの復讐心を募らせ、生徒たちに向けて行動を起こしていく物語です。ストーリーは非常に暗く、登場人物の心情が徐々に壊れていく様子がリアルに描かれています。
『告白』も『空白』と同じく、善悪の境界が曖昧で、登場人物が心理的に追い詰められていく過程に焦点を当てています。読者はその衝撃的な結末に強い印象を残されることになるでしょう。
まとめ
『空白』のような胸糞悪く、善悪が曖昧な作品が好きな方には、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』や、村田沙耶香の『コンビニ人間』、湊佳苗の『告白』など、登場人物が壊れていく様子が描かれた小説がおすすめです。これらの作品は、社会や人間性の本質について深く考えさせられるとともに、感情的に強く揺さぶられる内容となっています。
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