視覚障害をテーマにした絵本「みえるとか みえないとか」は、ヨシタケシンスケさんの作品で、視覚障害がテーマです。障害といえばなんだか重たそうなイメージですが、そこはヨシタケシンスケさん。まったくシリアスな本ではなく、お得意の子供目線で描かれたホンワカした絵本です。
この絵本は、視覚障害がテーマ。障害といえばなんだか重たそうなイメージですが、そこはヨシタケシンスケさん。まったくシリアスな本ではなく、お得意の子供目線で描かれたホンワカした絵本です。主人公は宇宙飛行士、いろいろな星をまわって調査をしています。あるとき到着した星の住人は、なんと前だけではなく後ろ側にも目がある宇宙人。後ろに目がない主人公に、みんな驚きます。「後ろが見えないなんて、かわいそう」「背中の話はしないであげよう」「みえないから、みんな歩くときよけてあげて」と、宇宙人たちが声をかけます。後ろ側が見えることが普通の宇宙人たちからすると、後ろが目が見えない状態で生活するなんて、不便きわまりないようです。なんだか変な感じ。私たちの「ふつう」も、違う世界にいけば、普通ではなくなる。いろいろな星を回って、違いとはなにかを主人公が学んでいくというストーリーです。
この絵本には「みえるとかみえないとか ができるまで」という製作裏話が書かれたリーフレットがついています。これがまた興味深い内容でした。障害者をテーマをしたいけれど「かわいそう」にみえてしまってはダメ。だから「ふつう」がすでにない宇宙にいこう、というような、難しいテーマを切り込んで伝えるための工夫などが伊藤さんとの対談形式でかかれています。「りんごかもしれない」で初めて知ってから、わが家では定番となっているヨシタケシンスケさんの本。子供目線のすばらしい感性と表現力にいつも舌を巻いていましたが、その裏側には、しっかりした考えと試行錯誤があったわけです。ますますヨシタケさんがすきになりました。
この絵本は、視覚障害をテーマにしつつも、子供目線で描かれており、視覚障害について考えるきっかけを提供してくれます。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。
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