小説『殺戮にいたる病』の読者から寄せられた疑問にお答えします。物語の中で、稔が殺害した順番と、樋口視点で発見された遺体の順番にズレがあると感じた方も多いのではないでしょうか。特に、赤ジャンの家出少女の遺体が発見されていない点について、疑問を持たれた方もいらっしゃると思います。今回は、この点について詳しく解説します。
稔の殺害順序と樋口視点での遺体発見順序の違い
物語では、稔が殺害した順番は以下の通りです。
- 大学一年生の女子生徒
- 赤ジャンの家出少女
- 樋口に恋心を寄せていた看護師
- タクシー待ちの女性
しかし、樋口視点での遺体発見順序は。
- 大学一年生の女子生徒
- 樋口に恋心を寄せていた看護師
- タクシー待ちの女性
となっており、赤ジャンの家出少女の遺体が含まれていません。この違いについて、物語の進行上の意図があると考えられます。
赤ジャンの家出少女の遺体が発見されない理由
物語の中で、赤ジャンの家出少女の遺体が発見されない理由は、稔の自白がなければ警察がその存在に気づかない可能性が高いからです。稔が自白するまで、警察は赤ジャンの家出少女の行方不明に気づいていなかったと考えられます。
また、稔が自白した際に「6件の殺人と1件の殺人未遂を認めている」とありますが、これは彼が犯した全ての事件を含んでいます。自白前に発見されていない遺体も含まれているため、読者が感じる順序のズレが生じているのです。
まとめ
『殺戮にいたる病』における赤ジャンの家出少女の遺体が発見されない理由は、物語の構造上、稔の自白がなければ警察がその存在に気づかないという設定に基づいています。読者が感じる順序のズレは、物語の叙述トリックの一環であり、作者の巧妙な演出によるものです。
このような構造が、物語の緊張感やサスペンスを高め、読者に深い印象を与える要素となっています。今後も『殺戮にいたる病』のような作品を通じて、叙述トリックの魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。
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